全く望月先生にしても、間宮君にしても、勝手すぎると思う。
私が入りたいのは植物部だって言ってるのに。

香華生徒運営部に入れだの、認めないだの。
二人とも本当に勝手すぎると思うんだけど。

そう思うとなんだかイライラしてきた。
私はせめて理由だけでも聞こうと思い、少し睨みながら間宮君に尋ねた。



「何で。」

「別に、理由はない。」

「この部、一人なんでしょ?」

「俺一人で十分。」

「・・・そう。私もね、この部に入りたくなかったの。だけど望月先生が入れって言うから入部したんだけどね。私の入部を認めないなら望月先生に言っておいて。部長でしょ?よろしく。」

「・・・。」



マシンガントークする私を間宮君は何も言わずにをじっと見ていた。

生憎、私はそんなに心の広い人間ではない。
勝手なことばかり言われてムカつかない訳がない。



私はくるりと踵をかえし、部室から出た。





辺りはすっかり夕焼け空色に染まっていて、昼間とは違う少しだけ心地の良い風が吹いていた。



部室を振り返ると、やっぱり古びていて、中があんな風になっているとは到底想像できないと思った。










「ばーか。」





私は扉に向かってつぶやいた。