おばあちゃんとお母さんと私と3人で台所に立つ。
お母さんとお婆ちゃんは料理をするから、私はその周りで皿を並べたり運んだりしていた。






「いただきまーす!」

「陽菜、お行儀よく食べなさいよ。」

「陽菜ちゃん、たくさん食べなさいね。」

「おいし~。」



お婆ちゃんの家に来て、久しぶりにちゃんとしたご飯を食べた。



「やっぱり、お母さんの料理はおいしいわ。」

「まだまだ陽子には負けませんよ。」



お母さんも久しぶりのお婆ちゃんの料理に思わず微笑んでいた。

こうして見ると、お母さんはやっぱりお婆ちゃんの娘なんだなと思う。
そして、私はお母さんの娘なんだね。






「陽菜ちゃんの学校はどうなってるの?」

「香華高校に通わせるつもりよ?」

「コウカ高校?」

「香るっていう字に華やかって字よ。お母さんとお婆ちゃんの母校でもあるの。」

「そう、すぐそこだから通いやすいわね。」

「ええ、明日転校手続きをしてくるわ。私の制服まだあったかしら?」

「もちろん、ちゃんととってますよ。陽子の部屋のクローゼットに。」

「そう、それなら陽菜、陽菜はお母さんの部屋を使いなさい。私は隣の客室を使うわ。良いでしょ?」

「そうね。陽菜ちゃん、ご飯食べたら昔お母さんが使ってた部屋に制服があるから、見てみるといいわ。」

「わかった。新しい学校楽しみだよ。」






そのあと、部屋に行ってお母さんのお下がりの制服を見た。
少し古いが、保存状態が良かったので着れそうだ。
贅沢は言ってられないし、制服にこだわったってしょうがないので部屋を少しかたずけて寝ることにした。


その日は疲れていたのですぐに眠りに就いた。