「今日、一緒にいたい・・・。ねぇ、ユウ駄目?」
「俺、今日は部活が・・・。」
「私、陽菜が図書室に行くって言うから、塾行くって嘘ついたのよ?陽菜にばれたら困るし・・・。中間試験のときはテスト期間だけは毎日一緒にいれたのに・・・。」
「俺、そんなこと知らずに・・・怜奈が図書室来ないこと責めた、ごめん。」
「ねぇ、だから今日は一緒にいて?」
「分かった。」
「やった!あ、馬鹿で間抜けな陽菜にメールしなくちゃ。きっと何も知らずに私のこと教室で待ってるから。」
「約束したのか?なら陽菜さんのほうが・・・」
「いいの!私はユウといたい・・・。今からメールするね。」
私は気付いたら走りだしていた。
教室に帰り乱暴に鞄をつかみ、必死に走っていた。
目の前は、もう、モヤモヤしている。
涙だろうか蜃気楼だろうか。
梅雨明けの街は湿度が高くて、なんて蒸し暑いんだろう。
暑くて暑くて溶けてしまいそうだ。
暑い・・・
暑い・・・
アツイ・・・
途中、ポケットの中の携帯が鳴っていたが、内容は分っている。
家に着くころには、汗と涙で顔はぐちゃぐちゃになっていた。