財布の中、
お金あったっけ?


「栖羽ちゃん、
 クレープおごってあげるね!」

「え?」

かっちゃんはあたしの手を取って
クレープ屋さんへ走った。



「栖羽ちゃんどれがいいー?」

「え?いいよあたし」

「いいからっ!」

「いいって」

「じゃぁこれ二つ!」

勝手にオーダーした..。


「はい。少々お待ちください」


「かっちゃん...」

「甘ーいもの食べて、
 元気出そうよ!ねっ?」

そう言って、
にっこり笑った。



「ありがとう...」


本当、
どこまで迷惑かけてんだか...。



「はい、栖羽ちゃんの」

「ありがとう」


かっちゃんからクレープを貰い、
口の中に入れる。



「おいしい...」

かっちゃんはあたしを見て、
にっこり笑って
クレープを一口食べた。


「本当だー!あまーい!」

クシャッと笑って、
あたしの頭を撫でる。