「お前、昨日の夜、
 どこ行ったんだよ?」

「関係ねぇだろ」

「兄貴、

 ずっとお前のこと
 待ってたんだぜ?」


胸が、
ドキッとした。



「..冗談きついよ」

陸戸があたしのこと、
待ってる訳ないじゃん。



「本当だよ。
 俺嘘つかねぇよ」


「もう、いいよ」

「何が?」


あたしは首からネックレスをはずした。



「...お前」

「これ、陸戸に返して」

「...断るのか?」

「あたしには、無理だよ」


自分に、
言い聞かせてるみたいだ。



「...あたしには、
 つりあわないんだ。

 陸戸は、氷奈が一番
 お似合いだよ」


そう言って、
再びコンクリートに体を預ける。



「馬鹿だろ」

「は?」

陸も隣に倒れこんだ。