空を見る。


「綺麗....」


瞼を閉じる。



陸戸と氷奈の笑ってる顔が、
頭を中で浮かんだ。


あたし、

....馬鹿みたい...


頬に一筋、
涙が伝う。



「可能性なんて....
 ないのに...」


あたしって、

本当馬鹿。



「矢口?」

「...?」

目を開ける。



「陸...」

コンクリートから体を起こす。



陸はあたしの隣に座った。



「なんで泣いてんだよ?」

「泣いてねぇし」

「泣いてんじゃん」

陸はそう言って、
親指であたしの涙を拭いた。



「お前も兄貴も、
 
 本当泣き虫だな」

....え?