「あたし岩井氷奈!氷奈って呼んでね!」

そう言って、
にっこり笑った。


笑顔が、可愛いなぁ。



「矢口栖羽。好きなふうに呼んでいいよ」

少し笑って、
下にうつむいた。



「栖羽ちゃんって可愛いよね!」

「そんなことないよ」

「これからよろしくね!」

「うん」


氷奈はそう言って、
また陸戸と話し始めた。



陸戸、嬉しそうな表情。



...陸戸は、
やっぱりあたしのこと、


...なんとも思ってないんだよね...。



席から立って、
屋上へ向かった。


今日は、
授業サボることにした。



隣でイチャついてるの、
見てらんないや。



コンクリートに体を預ける。



「...あつっ...」


...もう少しで、

夏休みなのに...。