「これもまぁご令嬢なんだけど、
 俺ん家と仲良くて、
 小さい頃から一緒に居るんだ」


....そうなんだ...



「兄貴も結構好きみたい」


....胸が、少し痛む。


写真の人に、
ヤキモチを焼く。



「岩井氷奈。お前と兄貴と同じ年」

いわい、ひな。



「で、俺と一緒にアメリカから帰ってきた」

「アメリカ?」

「あぁ。最初は三人で
 アメリカ行くって
 はずなんだけど、
 
 兄貴がどうしても嫌だって。
 
 だから俺と氷奈だけで行った」


....そ...っか...。



真面目に落ち込む...。




「お前に強敵、出現ってわーけっ!」




ライバルとか、
ほかにも花嫁候補が居るなんて

陸戸は一度も口に出してなかった


陸戸と、ずっと一緒に
こうしていられると思ってた


ずっと、邪魔されずに、
こうしていられると思ってた


蝉が鳴り始めた
7月。