「なんで!?」

「わりぃかよ?ここ、
 俺ん家のもんだし?

 嫌なら出て行けよ」

....。



初めて知ったんですけど。

このマンション、
島田家のものだったのかぁー!?


おいおい。



「...。」

「冗談だよ!お前が兄貴の女だって、
 知ってるし。」

「あぁそっか。.....あのさ」

「あ?」

「...なんで知ってんの?」

「あ?何を?」

エレベーターから出て、
部屋へ向かう。



「だから、その、あたしが、陸戸と」

「...あぁー!お前が兄貴の女だって?」

「まぁ...そうだよ!」

ったく。

顔熱くなるし。



「兄貴が教えてくれたんだよ」

「.....マジかよ」

「ま、島田家みんな知ってっけど」

「....え?」

「んー。簡単に言えば、
 お前は兄貴の花嫁候補だろ?
 だから一緒に暮らしてんだろ?」

軽く頷く。


鍵を指して、
家へ入る。