『兄ちゃん達、何してんの?』
グローブ無しでキャッチボールをして数十分。
さすがにグローブ無しじゃ手も痛いし
キャッチボールだけじゃ面白くないし
おまけにこの真夏の暑さには勝てなくて
木陰で2人ともダウンしている時だった。
真上から声が聞こえたと思うと、急に視界に小学生くらいの男の子が数人入ってきた。
『あーっ。それオレのボール!どこにあった?』
1人の男の子がカオルが持っていたボールを指差して叫んだ。
「これ?そこに落ちてたけど…」
『探してたんだけど、なかなか見つからなくて』
きっと、遠くに飛んでいったのが風でここまで転がって来たのだろう。
「よかったな。見つかって」
カオルは男の子の頭をぐちゃぐちゃになぜながらボールを渡した。