いつの間にか教室内は静まり返っていて
みんなカオルの話が信じられない様子だった。
『うそ……』
カオルを海に誘っていた子達は泣き出して
それがカオルの言葉を余計に現実味にさせた。
あたし…バカだ
前みたいに戻れるって勝手に想像して喜んで。
戻れるなんて思ってたのはあたしだけだった。
何にもわかってなかった
カオルの気持ちも
自分の気持ちも。
ぐちゃぐちゃになった髪を直すのも忘れて見上げると、そこには唖然としたリュウヤが立っていた。
「な……んだよそれ」
ごめん
ごめんねリュウヤ。
「ごめんリュウヤ…。全部…あたしのせいだ」
「…え?おいチヒロ!!」
後ろからリュウヤの声が聞こえたけど、構わず走り出していた。