冷静なあたしにリュウヤは驚いた顔であたしを見ていた。
少し寂しそうに笑ったカオルはそっと口を開いた。
「明後日」
自分の耳を疑った。
2日後にはカオルはこの町からいなくなってしまう。
もう…会えなくなってしまう。
自分の中の“後悔”というものが一気にドロドロと流れてきて
どうして…?なんで?という言葉が頭の中を駆け巡る。
「…今日はそれを言いに来ただけなんだ」
そう言うとカオルは自分のカバンを持って立ち上がった。
「じゃあ、元気でな」
リュウヤの肩をポンと叩くと、その手であたしの頭をクシャっと撫で
何も言わずに教室を出て行ってしまった。