蝉やらなんやらが鳴く中

もちろん日陰のないグランドの真ん中で三角になる。


いつものキャッチボールの隊形。




「リュウ…ヤっ」


あたしの手から消えたボールはリュウヤのグローブの中へと姿を消す。



「何?」


「リュウヤはどこの大学受けんの?」


リュウヤからカオルへボールがうつる。


「S大」







……え?



「「えっすだいぃぃぃ??」」


カオルからあたしにくるはずのボールは見事にはずれ、あたしの後ろを転がっていく。



「S大って…マジかよ!?俺聞いてねぇよ」


「なんでお前に話さなきゃいけねぇんだよ」



こいつ……。
勉強出来る風なやつじゃない。
本気で勉強出来るやつだったんだ。