◆◇◆
「じゃあさ、この場であいしてるって言ってキスしてよ」
「どうしたら信じてくれるの」そう言った私に司衣はそう簡単に言ってのけた。
なんだ、そんな簡単な事で信じてくれるなら…。
クラスメート全員が集まる教室。恥ずかしさは不思議となかった。
ふと、腕を掴まれる。
「おい、司衣お前いい加減にしろよ。北沢も席戻れ」
「離してッ!」
唐沢君に掴まれた腕が痛い。思い切り払い私は司衣の左頬に右手を当てる。
「…司衣、私司衣が好き。あいしてるよ」
そして優しい口づけを。司衣の舌が唇をノックして、私は応えるように口を開く。ああ、やっと、やっと。
「やっと、言えた…司衣、司衣、しえっ…すき、好きだよぉーっ」
「絵莉衣っ…」
ここが教室だということを忘れ、私たちは抱きしめ合った。
もう離さない。
やっと、つたえられたから―――。