「また、ふられた」
そういってキミはいつもないておれにだきつく。
「しぃ、なんで?なんでふられるの」
キミの噂、ひろまってるからだよ。
「好きなのに」
すぐにヤらせてくれるって、ウワサ。
「噂と違うって」
俺が流したんだ。
「噂ってナニ?」
「…エリーは一番綺麗だよ」
「しぃ、答えになってない。噂ってナニ?」
「俺は知らない」
「じゃあ、いい」
拗ねたようにそっぽを向くエリーが可愛い。赤い目はウサギのようで、猫っ毛で色素の薄い髪はふわふわ揺れる。
あぁ、どうしてこんなにも泣き顔が可愛いのだろう。
「泣き顔、すげぇそそる」
そう言えたらどんなにスッキリするだろうか。そんなこと、口が裂けても言えないけど。15年間育ててきたこのキャラクターが水の泡となって消えるのはもう少し先延ばしにしておきたい。
「しぃ、今日泊まる」
「ん、いいよ」
あぁ、また、欲情との戦いだ。
もってくれ、理性。