「しぃ…」
そう呼べば私の全てを理解してくれるしぃがだいすきだった。
「また、ふられた」
そう言いながらないてしぃに抱きつく。しぃから香る洗剤とシャンプーの匂いがわたしを落ち着かせる。
「しぃ、なんで?なんでふられるの」
黙って私の頭を撫でるしぃに静かに聞く。
「好きなのに」
付き合い始めは彼の気持ちの方が大きいけど、ちゃんと好きになるのに。
「噂と違うって…噂ってナニ?」
いつも噂と違うって言われてしまう。
「…エリーは一番綺麗だよ」
体を離し、しぃの顔を下から見る。しぃは苦笑いを浮かべていた。
「しぃ、答えになってない。噂ってナニ?」
しぃに問い詰める。しぃは絶対知っている。それは解っていた。
「俺は知らない」
でも、絶対言わないことも解っていた。だから
「じゃあ、いい」
そう言いしぃから離れ、ベッドに寝ころぶ。
「しぃ、今日泊まる」
「ん、いいよ」
あぁ、また笑顔。しぃの笑顔は大好きだけど。
しぃはいつも大事な事を私に何も言わない。笑って拒絶する。