「ヒロト~。おきなさーい!」


また今日も、母の怒鳴り声で起こされたのは俺、本田ヒロト。


俺の家は、父がサラリーマン、母はスーパーのパートをしている、団地暮らしの一般家庭。



お金に余裕があったわけじゃないけど、両親は俺を、中高一貫私立学校に入学させてくれた。






そして、高校受験を控えた三年、秋の事だった。



…―ユカリ。
    僕の初恋は
 君だったんだよ。―…