「入るなって言った」

「うん、でもこの写真?」

「合宿、俺も参加してた」

え?

彰吾も?

だって…小学生だったんじゃないのか?

「開催地が北海道だったからな
特別に参加させてもらえた」

そうか

小学生のころから将来を有望視されていたんだな

彰吾の参加していたんだ

知らなかった

女子ばかりと話していて、男子には目もくれなかった

少しでも上手になりたい

吸収できる技術は、盗んで帰る気でいたから

男子の動きなんて、気にしなかった

人によっては、彼氏を作りたくて、男子の目を意識していた女子もいたが・・・

そういう女子は無視していた

だってバスケに集中する気のないヤツに、私は用はなかったから

「気づかなかったな」

「ああ、声をかけても無視された」

「え?」

「だから、廉人さんのところで再会したときは嬉しかった」

彰吾がにっこりと笑うと、わたしから写真立てを奪う

もとの棚の位置に戻すと、首にかけてあるタオルで流れてくる汗を拭いていた