私は部屋のドアを閉めようとして、一枚の写真に目がいった

…これ…って

私は洗濯物の籠を置くと、部屋の中に入った

古い写真立ての中に、色あせた写真が入ってる

古いのに…埃ひとつなく綺麗になっている

中学生くらいの男女が、各学校のジャージを着て撮ってある集合写真だった

この写真に見憶えがある

私も、これと同じのを持っている

どうして…彰吾がこれを?

中学の夏休み

北海道に行ったときの合宿の写真だ

各地の選ばれた中学生のバスケプレイヤーが集合して、練習をした

きつい2週間だったけど

楽しい2週間でもあった

バスケの上手な女子と、必死にボールを取り合って

あっという間に、毎日が過ぎていった

なんで、このときの写真を?

「紫音?」

背後からの低い声が私は驚いて、写真立てを持ったまま振り返った

彰吾の視線が下に降りると、耳が真っ赤になった