みんなの中心で笑う彼は、私を見て大きく手を振っていた。


「本堂、呼ばれてるぞ」

監督は無表情のまま私に言うけれど、それがなんだか見透かされているようで少し背中が寒くなった。

私は頬が熱くなるのを感じながら、「よかったね」と小さくアキに手を振った。


「集合!」

監督の声が聞こえる。

「見た通り、須賀は復活した。これからの数ヶ月、須賀をエースとして迎え、甲子園に行くぞ!」

「うぉおおー!!」


アキがエースナンバーを背中に付け、マウンドに立つ姿を想像し、あたしは持っていたタオルをぎゅっと握った。