「…はい!!」


何も聞こえない。聞こえるのは心臓の音と、乱れた俺の呼吸。


ふと、リカを見る。

「あいつっ…」

リカは涙目で俺を見ている。

そうだよな、俺の一球でこの試合が決まるんだし…。


俺の?

『あたしの右手、アキにあげる』

…そうか、そういうことだったんだな!


リカの右手、俺の左手。

俺たちはいつも一緒なんだな。

いつまでも。