雨上がりの空のように爽快に透けているじゃあないの、オッサン。アンタの一存じゃないとしたって、アンタの提案に決まってる。

オレは悲しくもアンタ直属のカードなのだからして、部下の誰かにとやかくされる身の上なんじゃないんじゃないの。


「なに面倒なことなどない、他愛もない役回りだよ。彼女が向かう建物に同行し、彼女目掛けてとんでくるものでもあれば遮ってあげればいいだけだ。必要なのは君の従来の運動能力ぐらいのもので、そう滅多に力の方を必要とする事態にはならないさ。あの場にいたのが運のツキだと思って、ね」


それを言うなら、あの時間に呼び出してくれたのは目の前のこの男ではないですか。