「きゃあっ凜久センパイに話しかけられちゃった」
「センパイ可愛い~」
女の子たちの黄色い声を聞きながら、教えられたクラスへと顔を出す。
一層大きくなる女子たちの悲鳴に近い叫び声。
そんなに珍しいか?僕が2年のクラスに来るのが。
僕の周りにギャラリーが出来てしまっていて、それに気付いたみたいで瑠奈ちゃんがこっちへ走ってくる。
「悔しいけどお似合いだわ…」
ぼそぼそ呟く女子たちが道を空ける。
"お似合い"
そんな言葉を吐かれても全然嬉しくなかった。
瑠璃は僕よりも背が高く、瑠奈ちゃんは僕より遥かにちっちゃい。
隣に並んだら、周りから見れば瑠奈ちゃんの方が"カップル"らしく見られるだろう。
でも僕が好きなのは僕より背が高い瑠璃だから。
"お似合い"とか、そんなの正直どうでもいい。