バタンッ
勢いよく、部屋のドアが開く。
あぁ…、
―――来た。
消えかかった甘い妄想の余韻に浸ろうと、構わず目を瞑る。
「凜久っ、起きろーーっ!!」
「…おぇ……っ」
ベッドで寝ていた僕の上に
迷いなく
躊躇(ちゅうちょ)すらなく乗っかってきた女の子。
「…おはよっ!」
頭まで被っていた布団をペリッと剥がされ、
見えるのは、薄茶色の大きな瞳。
「加減ってもんを知らないの?」
ベッドの上に飛び乗ってきたこの女の子は瑠璃。
生意気に、僕よりちょっぴり背が高くてスラリと細いモデル並みの体系。
僕みたくちっちゃい顔にクリクリの大きな目。
その反面、もう今年から高校生のくせに中身は驚くほど昔から変わらない子供っぽくて可愛い性格。