「おーはよっ!」


良かった…。
どうやら瑠璃は気付いていないみたい。


元気な声に、さっきまでの凍り付いた心が溶かされていく。



女の子ってあんな表情できるんだ…。初めてかもしれない。



女の子を怖いと思ったのは――――……






「…瑠璃――」


急に弱気になって隣を歩く瑠璃の小指を握った。




――…まるであの時の瑠璃みたいだ。





「ど、どうしたの…?」


眉を下げて、心配そうな表情で僕の顔を覗き込む。