「…瑠奈ちゃん?」 門の前で立っている彼女が振り返る。 「…おはようございます」 「何考えてるの?」 挨拶は返さないで、単刀直入に聞いてみる。 「何って…―――」 ずっと黙っていた彼女がゆっくりと口を開く。 ちょうど瑠璃の家の前に差し掛かった時だった。 「―――凜久センパイと瑠璃の仲を引き裂いてあげようかな、……なんて」 …ゾッと背中が凍り付く感覚。背中を流れる汗のひと粒さえも凍ってしまいそう。