瑠奈の事は心配だけど、私は凜久を信じるよ。


この気持ちは絶対揺るがない。








「来年までの我慢よ」


…にしても、その瑠奈って子気に入らないわね。


眉の間にギュッとしわを寄せて顔をしかめるあおい。



「……うん、でも好きな人の幸せを素直に願える子なの…」


早く春が来ないかな。




凜久と一緒に学校に来てみんなでお昼食べて。



緑が薄くなった木々たちをを教室から眺める。



ふと、桜の木に目を留めると―――



あの木に、淡いピンク色の花が咲き誇る頃、私とあおい、凜久とヨウくん。



みんなで笑い合う光景が瞼の裏に映る。



私は瞳をそっと伏せたままいつか来る"その日"に想いを馳せる。



花びらを散らすピンク色の風に乗って心がフワリと弾んだような気がした。