これ以上ここに居ると、盗み聞きになってしまう。そう思ってそのドアをノックした。



「瑠璃?僕、凜久」



そう言って、ドアをゆっくり開いた。




「…あ、凜「凜久センパイッ」


僕の名前を呼ぶ瑠璃の声は瑠奈ちゃんの声に掻き消された。




「じゃあ、そういう事だから」


まるで勝ち誇ったような顔でフフッと意味ありげに瑠璃に微笑むとすくっと立ち上がる彼女。



ツカツカ僕に歩み寄ると、するっと彼女の細長い腕が僕の右腕に巻き付く。