…なんだろう、この胸騒ぎ。




イヤな予感がする。変な汗を背中に感じながら、ゆっくりと階段を上っていく。


ギシ、ギシ…と階段が小さい悲鳴の音を響かせる。



一歩一歩近付く度に聞こえてくる瑠璃と瑠奈ちゃんの会話。



はっきりとはまだ聞こえないけど確かに何か話をしている。



ついに、瑠璃の部屋の前に立った時。





「……、好きなの」


そう聞こえた瑠奈ちゃんの声。


何かをはっきりと主張するようなそんな感じが伝わってくる位の強い声。


最初に聞いた、ソプラノ音のような……高くて柔らかい声ではなかった。





「……え、」


それとは逆に、消え入りそうな震えた瑠璃の声がドアの向こうから聞き取れた。