「まぁね。さ、帰ろうか」 カバンを肩にかけて、席を立つ。 「まだ雨降ってるかぁ…」 窓を見つめてため息をつくヨウ。 …どうしたもんか。 「しょうがない。雨に濡れて帰「あれっ?」 ヨウが驚いたように、窓の向こう側を指差した。 その指差した方向を見てみると。 「…瑠璃……?」 見覚えのある赤いかさが校門をソロソロ通り抜ける。 …が、その速さは学校に近付くにつれてだんだん遅くなっていく。