凜久に渡すはずだった真っ白いタオルが涙で滲んでいく。
凜久が手にしていたあのカラフルな星がプリントされたタオルは、彼女が瑠璃と昔、買い物に言った時に瑠璃が買ったものだった。
自分が好きだった人を瑠璃にフラれた経験を持つ彼女にとっては、
全てが瑠璃にとられてしまったような、言い表す事のできない悲しみに満ち溢れている表情をしていた。
「瑠璃ばっか…ズルいよ…」
タオルに押し当てられていた目が、覗く。
その瞳はさっきまでの悲しい表情ではなく、冷たく歪んでいった。
瑠璃に対する想いも、醜く歪んでいってしまった。
凜久を想う気持ちも"好き"という感情ではなく"瑠璃を傷付ける"ためのモノに変わっていってしまったのだった。