公園の真ん中にある水飲み場で軽く顔を洗った後、改めてご飯の事を考えた。

流石に、お腹は空いている。

最後に食べたのは、昨日の昼。

それでも、世話になっていた人の容体が危険だからと、すぐに部屋へ戻れる様に、病院でバナナを1つ食べた程度だ。

とりあえず、水を2、3口飲む。

いつまでもこの公園に居たら――この年では、警察に補導されるに違いない。

面倒なのは出来るだけ避けたい。

もう少ししたら、公園を出よう。





行く当ても無く、ただ前へと歩を進ませる足。

どこに行こうというのか……

やるべき事だって、やりたい事だって無いのに。

歩いて行くに連れ、子供達のはしゃぐ声が聞こえて来て、ぴたりと足が止まった。

小学校――

今は、休み時間なのだろうか。

子供達は、楽しそうに遊具で遊んでいた。

ブランコ

滑り台

鉄棒

中には、走り回ってる子達も居る。

こんな光景を見て落ち込むなんて、ありえないだろう。

しかし、気が付くと僕は、俯いていた。


ああ、そうか。


生きている意味もない、価値もない。

だったら、生きていてもしょうがないんだ。

だけど、だったら一体、どうすれば良いのだろう?


再び歩を進ませる。

進みながら考えて、聞き覚えのある声に呼び止められた。