まぁいいか。と歩き出した。
「ねぇ、バスケ部って強いの?バスケが上手いの?」
あたしが一瞬悩んだ問題。
「上手いから強い」
当たり前のように答えた奥平にムッとしたけど、自分もそう答えをだしたかもしれない。
「お互い頑張ろうな」
「うん」
なんだか優しい声。
「月が半分だ」
見上げた夜空は澄んでいて、久しぶりに見た月は綺麗だった。
「奥平も見てよ」
なんて能天気な事を言っていたら、ガバッと後ろから抱き締められた。
隣に自転車が止まっていて、前に回された筋肉質な腕に手をおいた。
「な、なななな何してるの!?」
焦って舌が回らなくてテンパる。
「佐倉。」
落ち着けって言ってるみたいな声に、落ち着けるわけないとジタバタともがくと手が離された。