道の端に寄ったのに、自転車はあたしの隣で止まる。
「おめでとう」
突然言われた言葉に顔を上げた。
本当にムカつく奴だ。プロコ。
あたしよりも大人ぶって、なんか一枚上手っていうか。
「バスケ部もおめでとう」
腫れた目を見られたくなくて他所をむいて言った。
「ありがとう」
前はなんか落ち込んでたのに。
「1人で帰る危ないから送るよ」
ブルッと夏だと言うのに鳥肌がたった。
「いい!いいよ。結構です」
「襲われてもいいの?」
「家すぐだし」
奥平の目を見ていた。から目が腫れてるのももうバレただろう。
「送る」
強く言われて小さく頷いた。
「後ろ乗る?」て聞かれたけど重かったら嫌だから「歩く」って答えた。
だけど歩いたら奥平と同じ時間を長く供給しなきゃいけない。