皆の祝福の声が、ライバルに向けられているのだと考えると苛々が堪らなかった。
野球少年たちに手を振りながらプロコはあたしを上から見た。
180以上身長があるんだって。
どうせ150だよ。
プロコから言葉通り見下されてあたしはまた歩みを進めた。
後ろで「奥平頑張れー!!色んな意味で」なんて言葉が飛んでいて、あたしの足は速まる。
「ちょっと待てよ」
後ろから小走りでついてくる奥平。
あたしは鞄を持ち直して走り出した。
公園でその様子を見ていた野球少年たちがケラケラ笑って奥平は、「はぁ」とため息をついた。
「おめでとう」って言えばいいのに。
奥平は走ってる咲を追いかける理由を考えた。
理由もなしに感情で行けば今まで以上に嫌われるのは分かったから。