1年、2年と吹奏楽とバスケ部の成績は地区大会1位止まりだった。



「次こそは」



と、去年も意気込んで、その次の年になっていた。



「バスケ部、近畿大会出場だって!」


音楽室に少し興奮ぎみな先生が来て言った言葉にあたしの表情はあからさまにムッとしたのだろう。




吹奏楽はまだ地区大会も始まってないのに




ふと、嫌みな顔で笑う奥平の幻が見えた。



嫌違うな、今見たのはプロコだ。プロコ。




音楽室の壁に一面貼られた作曲家達



ハチャトゥリヤンはあたしの近くにいつもいる。


この肖像画の中にいる小村さんとか、凄く浮いて見える。



まぁ、プロコはもっと浮いている。



あたしはムカつく奥平のことを、眼鏡でおでこの広いプロコフィエフと呼ばせて頂いていた。