「だから、前にも言ったでしょう。周りを作り上げているのは…全て自分だって」

「うん」

私は右手の携帯を持ち直し、電話口の声に意識をさらに集中させた。

「周りは…全て自分を映す鏡です」

「うん」

この話はもう何度も聞かせてくれている。

だから私は、何か上手くいかない出来事があったとしても。

周りの誰かを責めようと意識がいかない。