『それは無理』




「何で?」




『怖いもん』




「好きなのに?」




『好きだから』




「そんなモン?」




『好きだから、彼女大切にねって言ったの』




「なんじゃそりゃ」




『好きだから、レイにはずっと笑ってて欲しかった。レイがまた笑ってくれるなら、私…他に何もいらないって…そう思ったから』




「そっか」




『そう思ってたんだけど…』




「けど?」




『結局は私、自分が傷付くの嫌で逃げてただけなんだよね』




「誰でも人は恋をしたら臆病になるモンだろ」




『そうだね…』




「でも、臆病になった分、強くもなれるよ」