翌朝は昨日の雨が嘘だったかのように、太陽が顔をのぞかせていた。
「新菜ー?起きてるのー?早くしないと遅刻するわよ?」
「分かってるー」
昨日借りた傘を忘れないように持って家を出た。
名前とか知らないけど多分…会えるよね?
同じ学校なんだし――
「にーいーなー」
大きな声にビックリして後ろを向くと、少し離れた場所にこっちへ向かって走ってくる琉奈がいた。
「もぉ~!ビックリするじゃん」
「ごめんごめん、それより昨日一人で大丈夫だった?」
「大丈夫だよ」
昨日あったことを話そうか迷ったけど、心配掛けたくないからやっぱり止めた。
「あれっ…何で傘なんか持ってるの?今日晴れだよね?」
「それは、そのー…」
どうしよう?
琉奈、不良とかそーゆう部類の人嫌いだし
話したら面倒な事になりそうだな…。