そう言うと、彼はどこかへ行ってしまった。




あたしは彼に貸してもらった傘を手に、家へと向かった。




「あ…、名前聞いてないや」




不思議な出会い


まるで神様が魔法でも使ったような…


この世で出会う人は皆


出会わなきゃいけない人


早くも遅くもない


そのタイミングで出会ってるんだ






「來揮……寂しいよ」




空の下で繋がってるって言うけど、


あたしと來揮(ライキ)はもう繋がれてない



來揮はあたしに嘘をついた……




雨は嫌い


あの日を思い出して


苦しくなるから…




あたしはギュッと首元で光るネックレスを握りしめた。