「お疲れぇ!」



「おぃす」


「片付け終わったら、教室に来い」


智也が小さく言ってきた。教室なんて……




そして、教室に行った。

智也は待っていた。



「おッ来たか!」


「何?なんか話でも??」

美稀はうれしいハズなのに、なぜかキツくなる。

「あッウン。お前にちょっとな……」

美稀は首をかしげた。


「お前、今好きなやつおるン??」


この言葉を聞いた瞬間、智也ぢゃなく、竜生の顔がうかびあがった。


「あ…おるよ。」


何かをと思って、口から出た言葉が、これだった。

「誰よ?」

智也は美稀を苦しめるかのように、聞いてくる。

「そンなん。」


「俺はさっきも言うたケド、お前が好きや。前に別れたトキは正直、疲れとって、さなえにベタついてしまった。デモ、あれからよぅ考えたら、俺はお前ぢゃナイと無理や。」


「ウン」


「もぉ一回、やり直そ」

「待って!!」

美稀は智也の声をかぶせるように、大声でさけんだ。

「あたし、智也と別れてな、好きな子できてン。それで…」


「俺ぢゃ無理なんか!?」


智也は必死で言ってくる。


「考えさせて。」