「んー……」

はっきり言って、モカの話は半分耳に入ってない。

美味しそうな獲物を前にしながら、ずっとおあずけをくらってる状態だ。
さっきから頭の中で天使と悪魔が戦っている。

モカの言葉にも曖昧な返事をするだけ。


そんな俺に、さっきまで普通に座っていたモカが無防備にも背を預け寄りかかってきた。

「なんか…気持ちよくて…眠くなって…きちゃっ…た」

トロンと甘えた声で俺に体重を預けている。



―――プチッ…。

理性の糸が切れたのが分かった。

――もう、限界…。