ドライヤーで優しくモカの髪を乾かす。

サラサラとした艶を取り戻し、甘い香りが漂っている。


……頑張れ、俺。



クラクラする頭を振り、何度も気合いを入れ直した。


俺が必死で理性と戦っているとは知らないモカは、無邪気に話しかける。


「こうして髪を乾かしてもらうの久しぶりだぁ。お母さんによくやってもらったなぁ」

ね?とコチラに微笑みかける。