「モカ、そろそろ送る。全然勉強できなかったな」

そう笑いながら声をかけた。


ソファーから立ち上がったけど、モカは気まずそうに、こちらを見ているだけ。

……なんだ?

「…モカ?」


「じ、実は…。今日…、黒崎君と、そうなるって、思ってて、泊まるんだって思ってて…。麻美のところに泊まるって言って来ちゃったの…。麻美も協力するからって、今日わざわざお母さんに電話までしちゃって…」

泣きそうな顔でこちらを見る。



……………マジか?