…今、電話したら出てくれるだろうか…。

少しでも早く声が聞きたくて、ポケットにある携帯に手をかけた。



――その時、

後ろから近づいている男の姿に思わず手が止まった。

その男はモカの肩をポンっと叩いたあと、隣に並んで一緒に歩き出した。



一気に心がどす黒い感情で埋まる。