外は真っ白。雪景色 白い息をはくゲンチャンをチラチラ見ながら、相槌するのが精一杯のあたし。 こんなに寒いのに右手だけはとってもあったかい しっかり握られてゲンチャンのポケットにちゃっかり収まっちゃってる。 一ヶ月前は寒くて下を向いて歩いてたのに今は恥ずかしくて下を向いて歩いてる 寒さだってゲンチャンの優しさを感じられる素材になってるし 幸せだと全部プラス思考になってしまう 私はアユ18歳。 ゲンチャンと逢ったのは高2の夏だった あまりゲンチャンに惹かれるものはなかったけど、若さってのは怖い 勢いで付き合えちゃうんだ ゲンチャンとは何回か遊んだけどやっぱり楽しさはなかった。あたしはゲンチャンが本気だってのを知ってたけど、構わずふってしまった。出会って一ヶ月でさようならー。 このときは、これからどんな罰と試練が待ち構えているかなんて考えもしなかった。