でも、 灰二が居ない。 目の前に居ない。 私は今何を していた? 灰二の手を 握ろうとして。 ううん。 握った。 確かに握った。 灰二の手、 大きかった。 あの頃と同じで 温かかった。 なのに。 どうして。 君はいないの? 灰二。 「どうして・・。」 分からない。 分からないよ。 こんなの 分かる訳。 ねぇ、灰二。 どうして?