それでも
私は・・・。

右足が前に出た。

一歩一歩灰二に
近づく。

さっきほど
遠くないから
目の前なんだけど。

灰二の顔が
上がったような
気がした。

でも顔は見れない。

真赤だ。
さっきと比べ物に
ならないぐらい
顔が赤くて熱い。

私の手が
灰二の手に
伸びて
握ろうとして、
灰二の手が
私の手を
握り返そうとした。

とても長い
時間に思えた。

二人の手が
繋がる。

その瞬間だった。

!!