灰二の顔は
こっちに
向きながらも
俯き加減で
よく見えない。

え。何で。

あわわわ。

どうすれば
いいんだろう。

灰二は
何考えてるの?

さっきのも
そうだけど、
私の気持ちに
気づかずに
しているって
言うんなら
最高に性質が
悪いよ。

もう一度
灰二を見る。

手が差し
出されていて。

握っていいの
だろうか。

私が。

今の私が
握ったら、
あの頃の
握った手と
意味が
変わってしまう。