「また、笑ってる。」

灰二はまた
悪戯っぽく
笑っていた。

また見られた・・・。

ここは思っていた
ことをそのまま
言ってみる。

「なんか、
懐かしいなぁ
と思って。
ほら、あの頃は
よくこうやって
帰ってて。」

「そうだったな。」

あの頃。

あの頃は
鬼ごっことか
グリコしながら
帰っていたな。

ジャンケンして
いつも私が
勝って。

あっち向いてほい
になると
いつも灰二が
勝った。

楽しかったな。

それと二人で
手を繋いで。

灰二の手
温かかった。